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大物ばっかり捕っちゃダメ・・魚群の生命力低下

魚群から大きい個体ばかりを漁獲していると、魚群の小型化や生命力の低下を招き、水産資源の崩壊につながる恐れがあると、米・ニューヨーク州立大と東京農業大生物産業学部の共同研究チームが実験で突き止めた。(読売新聞、2006年2月16日)

漁業資源保護のために、魚群の中で「小さい魚は捕らない、捕っても逃がす」は鉄則であろう。だから魚網の網目も適正な大きさにして、網目からすり抜ける小さな魚は逃がしてきた。逃げた魚はやがて大きくなって、近い将来の漁獲にあがってくるだろう・・そんな期待が当然あるはずだ。

だが、魚群の中に大型魚がいなくなると、残された小型魚には群れとしていろいろな弊害が生じてくるようである。

研究チームはトウゴロウイワシの仲間を使って、「大きい方から90%の個体を取り除いた群」と「小さい方から90%を除いた群」および「規則性なく90%を除いた群」の3群に分けて、6世代にわたって実験室で観察した。
その結果、小型魚ばかりの群は、稚魚の体長や餌に反応する時間、生存日数など、ほとんどのデータでほかの群よりも劣っていることがわかった。(同記事)

体格がいい大型の固体は餌の食いもよく動きも俊敏である。いわば魚群の「リーダー的存在」である。小さい魚は必死でリーダーに従い、餌を追いかけ、生き延びているのであろう。
人間社会でも、昔は「ガキ大将」と呼ばれる強いリーダーがいた。現代のビジネス社会も、結局は強いリーダーが群れ(会社、地域社会、職場)を引っ張っている。

魚群の中でそのリーダーが捕獲されていなくなると、残された小魚たちはどうなるか。今回の実験結果は、それへの「答え」である。人間社会で考えても容易に推察ができる。場合によっては「群れ」が滅びかねない危機的な状況に陥ることもありうる。

これからの漁業は、せっかく捕った大型魚でも「その一部をあえて逃がす」方策も必要になるだろう。

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